Q:労働契約書がないと労働契約は無効なのでしょうか?
A:必ずしも、契約書がないから労働契約が無効というわけではありません。
よく、従業員を採用したら、書面で契約書を交わさなければいけない、と言われますが、これは少々違います。(もちろん書面で契約書を交わすに越したことはありません。)
実は、労働者を採用した場合には、必ず明示しなければならない事項が法律(労働基準法)で定められているのです。下の図の左側がこれにあたります。これを、「労働条件の絶対的明示事項」といい、書面で交付することが義務づけられています。
読んでいただければお分かりいただけると思いますが、この「労働条件の絶対的明示事項」には、労働条件として定めるべき事項がほぼ全て網羅されています。(ちなみ下図の右側は「労働条件の相対的明示事項」といい、定めをする場合には明示することが義務づけられています。)
そこで、労働条件を明示した書面で労働契約を交わせば、書面による労働条件の明示義務を果たすことになるわけです。