すっかり定着した感のあるリモートワークですが、ここへ来て従業員の一定日数の出社を義務付ける企業が増えてきました。理由はずばりコミュニケーションの問題と思われます。
先日読んだ新聞の特集記事で、某有名企業の経営者の信条は、「(思いが)伝わるのは、メールが5割、電話が7割、会って9割…」と紹介されていました。
内容を正確に伝えるためには、やはり文章であるメールが一番でしょう。ただし、メールの場合は微妙なニュアンスや気持ちを伝えることは難しい場合もあり、誤解を招いてしまうケースもあります。電話は相手が見えない分お互い傾聴するため、ある程度複雑な事柄も、より正確に伝わりますし、文章でうまく表現できない内容が伝えやすいこともあります。では最近主流のビデオ会議システム等を利用した場合はどうでしょう?音声だけでなく、目の前に相手が見えるため視覚も補佐してくれるのはいいのですが、ここに実は死角があるように思います。対面で話をするときのように相手の目を見ようとすると、カメラの位置の関係で、お互いに視線が微妙にずれてしまいます。また、共有画面を見たり、ディスプレのテキストを読んだりすると視線は大きくずれます。このため対面で話をしているようで実は意外と対話の相手に神経を集中していないことが多いのではないでしょうか?
せっかくの便利な様々なツール、上手に使い分けて適切なコミュニケーションを図りたいものです。
文責:社会保険労務士 小林千晃