Q:「労務管理」とは何でしょうか?また、そのポイントはなんでしょうか?
A:「労務管理」とは、「人の動かし方」です。
「労務管理」とは何か?を一言で言えば、それは、ずばり「人の動かし方」と言えます。すなわちマネージメントそのものと言っても過言ではありません。会社組織は人がいなければ機能しません。つまり会社組織を機能させることはすなわち人を動かすことであり、つまるところ「労務管理」なのです。
それでは、「労務管理」の基礎となるものはなんでしょうか? それは、「労働条件」です。「労働条件」とは、使用者(事業主)と労働者(従業員)との間の決めごとであるところの「労働契約」の前提となるもので、「労働条件」が明確になって初めて「労働契約」が締結されます。 このように、「労働条件」は、労働契約の具体的な内容であるわけですから、その内容は多岐にわたっており、また、重要なものばかりです。
それでは、その「労働条件」の中でも、特に大切なものはなんでしょうか? それは、「業務(職務)内容」、「労働時間」、そして「賃金」の三つに他なりません。つまり、使用者(事業主)から見れば、何の仕事をしてもらって、どれだけ働いてもらって、いくら払うのか、労働者(従業員)から見れば、何をして、どれだけ働いて、いくらもらえるのか、ということです。そして、業務(職務)内容は、いわば基本的な賃金の決定要因であり、賃金が月給であっても、日給であっても、あるいは時給であっても、基本的な賃金は仕事の内容によって決定されますので、日々の労務管理における最重要労働条件は、「労働時間」なのです。
昨今においては、いわゆるホワイトカラーエグゼンプション(労働時間規制適用免除制度)、すなわち「脱時間給制」の推進も積極的に進められようとしていますが、この制度の適用対象になる労働者(従業員)はごく一部であり、大多数の労働者(従業員)の労務管理においては、「労働時間」が、いぜんとして最重要因子であることに変わりはありません。
事業主も従業員も共に働きやすく風通しの良い職場環境であれば、その企業の業績向上にもつながるのではないでしょうか?事業主も従業員も働きやすい職場環境づくりは、企業の成長と発展の重要な礎の一つと言えましょう。そして、働きやすい職場環境づくりに欠かせないものが正しい「労務管理」です。