お役立ち情報

出勤簿の重要性

意外と管理をおろそかにしてしまいがちな出勤簿ですが、出勤簿は、労働者の労働時間や勤務状況を正確に把握するための重要な記録です。給与計算の根拠であり、従業員の勤務実態を明確にする、労務管理に欠かせないツールでもあります。使用者にとっての出勤簿の重要性をまとめる以下のようになります。

〈出勤簿の重要性〉
1. 法令遵守(コンプライアンス)の基本
出勤簿は、労働基準法で定められた労働時間の把握義務を果たすための最も基本的な資料。  使用者は、労働時間・休憩・休日などを正確に記録・管理する責任があります。  → 不備があると、是正勧告や罰則の対象になり得ます。
2. 労働時間・賃金計算の正確性確保
出勤簿は、賃金(特に残業代・休日手当など)の根拠資料になります。  正確な勤怠記録は、正しい給与計算の根拠となり、従業員との信頼関係のもとでもあります。
3. 労使トラブル防止
「働いた・働いていない」「残業を命じられた・いない」といった労働時間を巡る争いの予防になります。
正確な出勤簿は、万一のトラブル時の法的証拠として重要です。
4. 労働環境の改善・人件費管理
出勤簿を分析することで、従業員の勤務状況、残業の発生状況を把握できます。  これにより、過重労働の是正、シフト調整の最適化、人件費の適正管理にもつながります。
5. 労務監査の際の必須資料
労基署・労働局の監査などでは、出勤簿を含めた法定帳簿(※)が必ず確認されます。
正確な出勤簿が整備されていれば、こうした場面でもスムーズに対応できます。

※整備・保存が義務付けられている法定帳簿
1)賃金台帳:賃金計算の基となる基本帳簿
事業場ごとに作成する必要あり。必須記載項目は氏名、性別、賃金計算期間、労働日数、労働時間数(深夜・休日・残業時間を含む)、基本給及び手当額、賃金控除額など。
2)出勤簿:労働時間を記録した帳簿で労働関係に関する重要な書類 記載項目は、下記。
3)労働者名簿:やや誤解を受けやすい、古くから作成が義務づけられている帳簿
事業場ごと、労働者ごとに作成する必要あり。必須記載項目は氏名、生年月日、履歴、性別、住所、従事する業務、雇入年月日、退職年月日など。
4)年次有給休暇管理簿:知名度の低い法定帳簿
労働者ごとに作成する必要あり。必須記載項目は取得日、付与日、日数。

〈出勤簿の必須記載事項〉
・労働者の氏名
・出勤日と労働日数(出張やリモートワークも含む)
・始業・終業の時刻
・休憩時間(取得した具体的な時間)
・日ごとの労働時間数
・時間外労働を行った日付・時刻・時間数
・休日労働を行った日付・時刻・時間数
・深夜労働を行った日付・時刻・時間数

TOP