勤務中にパンダのかぶり物をかぶったり、暴言を吐いたりといった問題行動の多い社員を解雇したところ、不当解雇であるとして、逆に会社が訴えられた、という事件が若干話題になりました。(結果は原告の敗訴。)
報道によれば、会社側はきちっと段階を踏んで当の社員に対処し、最終的に解雇したのですが、社員としては、その都度会社に対して不満をつのらせ、結果として問題行動がエスカレートした、ということのようです。
最初はちょっとしたボタンの掛け違いであったものが徐々にずれが大きくなり、最終的にはとんでもない亀裂になってしまったという典型事例ではありましょうが、恐らくどこかの段階で亀裂が大きく広がるポイントがあったのだろうと思います。ただそのポイントに一方または双方が気がつかなかったのか、あるいは気がついていてあえて(あるいは無意識に)更に亀裂を広げるような手を打ったのかは当事者にしか分かりません。(当事者にも分からないのかもしれません。)
あくまでも感覚値ではありますが、労使間の争い、それも大火ではないくすぶりが増えているように見受けられます。大切なのは大火になる前に火種に対処することなのですが、とは言え人間は面倒なこと・いやなことを知らず知らず後送りにしてしまったり、(決して悪気はなくとも)見て見ぬふりをしてしまったりしてしまうもので、それがまた結果として功を奏してしまうこともあったりで、ますますやっかいです。
それでもやはり、現実を直視すること、現状を正確に把握することは避けて通れないことです。