所長のコラム

2025.05.05

ハラスメントの種類

最近、職場におけるどのような言動が「ハラスメントに該当するのかどうか?」という議論が盛んです。そこで、AIに、「職場のハラスメントの一覧を出して」とお願いしたところ、以下のようにずらっと並べてくれました。

【権力・立場の濫用に関するハラスメント】
パワーハラスメント(パワハラ):上司などが立場を利用して暴言・暴力・無視・業務妨害などを行う
アカデミックハラスメント(アカハラ):教育・研究職場での権威を使った嫌がらせ(教授→学生・部下)
リストラハラスメント(リスハラ):故意に仕事を奪う、無意味な業務を与えるなどして退職に追い込む
ジョブハラスメント(ジョブハラ):明らかに適正を欠いた業務や過大な業務を押し付ける
【個人の尊厳や価値観に関するハラスメント】
モラルハラスメント(モラハラ):無視、侮辱、人格否定など精神的ないじめ
セクシュアルハラスメント(セクハラ):性的な言動・接触・容姿へのコメントなど
ジェンダーハラスメント:性別に基づく差別的発言や態度
エイジハラスメント(エイハラ):年齢に関する差別(「若すぎて頼りない」「年寄りは遅い」など)
ルッキズムハラスメント(ルッハラ):容姿に関する発言(太ってる、老けてる、美人すぎるなど)
シングルハラスメント(シンハラ):未婚者に対して「まだ結婚しないの?」などの干渉発言
マリッジハラスメント(マリハラ):結婚・家族の有無に基づく差別的言動
【ライフスタイル・プライベートへの干渉】
マタニティハラスメント(マタハラ):妊娠・出産・育児に伴う不当な扱い
育児ハラスメント(イクハラ):育児休暇取得や時短勤務への嫌がらせ
介護ハラスメント(カイハラ):介護休暇や家庭都合を理由に冷遇・不利益を与える
時間外ハラスメント(ジハラ):休日・深夜に私的な連絡や仕事を強要する
飲み会ハラスメント(ノミハラ):飲み会への強制参加、一気飲みの強要
【職場でのコミュニケーション・文化によるハラスメント】
スメルハラスメント(スメハラ):香水、体臭、タバコ臭などによる不快感
メールハラスメント(メルハラ):攻撃的・皮肉なメール、CCでの公開叱責
テクノロジーハラスメント(テクハラ):ITスキルの有無を理由に嘲笑・排除する行為
カスタマーハラスメント(カスハラ):顧客からの理不尽なクレームや暴言に対して会社が対応せず放置すること
【近年増えている職場のハラスメント】
リモートハラスメント(リモハラ):在宅勤務中の過度な監視・無意味なビデオ強要など
SNSハラスメント(SNSハラ):社員のSNSを監視したり投稿に干渉・攻撃する行為
アウトドアハラスメント(アウトハラ):休日のアウトドア参加を半強制、趣味の押し付け

パワハラ、セクハラ、マタハラ等の妊娠・出産等、育児・介護休業等に関するハラスメントなどの典型的なハラスメントについては、厚生労働省が判断基準と対策を示していますので、比較的分かりやすいのですが、実際の職場では、確かにハラスメントの要素はあるようだけれども、どう判断すべきか迷う事例も多いように見受けられます。
例えば、「ルッハラ」、「シンハラ」、「マリハラ」などはどうでしょう?これらが一昔前の典型的パターンである、男性の上司から女性の部下へ、であれば、セクハラと言えるでしょうが、それ以外のパターンであった場合は判断に迷うこともあるでしょう。そのときはパワハラ3要素である、「優越的な関係を背景とした言動」、「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」、「労働者の就業環境が害される」、であるかどうかで判断することになりましょうか。
では「スメハラ」は?となるとこれは確かに難しい。一体どちらに対するハラスメントなのか?あるいはそもそもこれはハラスメントなのか?という議論も必要になるでしょう。
いずれにしろ、まずは大きなくくりで見て、次に個々に判断するという姿勢が常に必要とされる難しい問題です。

社会保険労務士 
小林事務所

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