厚生労働省の国民健康・栄養調査結果(2022年)によると、喫煙率は過去最低の14.8%だったそうです。たばこの煙には、発がん性物質が非常に多く含まれていると言われ、喫煙は健康被害(生活習慣病)を引き起こす代表選手とみなされてきました。一方、同じく厚生労働省の調査によると、精神疾患を有する総患者数は2020年で約614.8万人で、(推計方法がそれ以前と異なっているため単純比較はできませんが、)こちらは過去最高になっています。
下記は、先日公開された厚生労働白書の心身の健康に関する調査での健康リスク要因順位です。
一位:「生活習慣病を引き起こす生活習慣」 36.4%
二位:「精神病を引き起こすようなストレス」 15.6%
三位:「加齢や遺伝」 15.1%
「生活習慣病を引き起こす生活習慣」は、いぜん首位ではあるものの、2004年の調査結果(55.9%)から大きくダウンし、一方、「精神病を引き起こすようなストレス」は2004年の調査結果(5.0%)から大きく増えて二位に躍り出てきており、冒頭の調査結果と見事にリンクしているようです。
労働関係各法も、メンタルヘルスに対応すべく改正が相次いでいることも踏まえ、従業員の健康保持についての使用者側のスタンスも大きく変えていかざるを得ないことは間違いないようです。