労働時間を巡る様々なトラブル・事件、問題提起等々尽きないわけですが、労働時間とはそもそもなんでしょうか?「労働時間なんだから労働していた時間に決まってるじゃん!」と思われるかも知れませんが、はたしてそうなのでしょうか?
労働関係法規の憲法と言われる労働基準法の第32条から第32条の5には「労働時間」というタイトルがついていますが、ここを読んでみても、特に労働時間の定義らしい定義は見当たりません。「法律に定義がないんだから労使で勝手に決めていいんじゃないかな?」と考えてしまいそうですが、そうではありません。過去の労働時間に関するトラブルにおける最高裁の判決からの本例法理として、労働時間は次のように定義されています。
労働時間とは『使用者の指揮命令下に置かれていた』時間のこと
ここがミソなのです。労働時間は労働していた時間ではないのです!仮に労働していなくても、使用者(会社)の指揮命令下におかれていて、労働者が自由に使うことができない時間であれば、それは労働時間なのです。たとえ休憩時間と言えども、労働者が自由に過ごすことが出来なければそれは労働時間ですし、「フリーランスだから労働者ではない!」と言い張ったとしても、働く場所や時間を拘束されていたら、それは労働時間なので、その人は労働者として扱わないといけない、ということになるわけです。