2020年「今年の漢字」の6位は「家」でした。2020年は、労務関連でも、「家」が大きくクローズアップされたように思います。「家=職場」や「家≒職場」化が急速に進み、中食やオフィス関連用品の消費行動にも大きく影響しました。
「家」の「職場」化で、労務管理において、様々な検討事項、問題点がうきぼりになりましたが、中でも注目を集めたのが、メンタルヘルスにかかわる問題ではなかったでしょうか?今まで「ワーク・ライフ・バランスの推進」が課題であったものが、「ワーク」と「ライフ」が突如として一緒くたになって押し寄せてきたことで、まさにバランスが崩れてしまうという事態が発生したのですから皮肉なものです。
一方で、それまでなかなか進まなかった「テレワーク」化が一気に進み、能率が一挙にアップというケガの功名もありました。最近ホームセンターで扱っている、テントのような」形状の家内オフィス化商品など、多くの供給と需要の出現もありました。厚生労働省のリーフレットには、テレワークにおける作業環境のチェックポイントも登場しました。(下図)
「家」を辞書で引いてみたところ、「人の住む建物、家庭」となっていました。これからは、「人の住む/仕事をする建物、家庭/職場」になるのかもしれません。私自身の家庭環境、家族との関わり方、仕事の質と手段もずいぶん変化しました。令和3年は新しい時代に合った理想的な家のあり方を見いだすことが大きな目標になりそうです。