Q:我が社は、従業員5人の小さな会社ですが、同業他社に比べて給料も高く、休みも多く、残業も少ないのですが、何故か従業員の士気が上がらず、業績も今ひとつです。全従業員が前向きにばりばりと働きたくなるような、そんな従業員にとって良い会社とは一体どんな会社なのでしょうか?
A:ずばりそれは、「従業員自らの成長を実感できる会社」です。
数年前のことではありますが、「従業員にとって良い会社とは?」というアンケートを、事業主と従業員の双方からとったことがありますが、その結果の集計は下のようになりました。
事業主が考える従業員にとって良い会社
1位 | 給料が高い会社 | 54.4% |
2位 | 休日がきちっととれる会社 | 21.3% |
3位 | 残業が少ない会社 | 18.3% |
4位 | 仕事が面白い会社、仕事が楽な会社 | 10.1% |
5位 | コンプライアンス意識が高い会社 | 5.7% |
従業員が考える従業員にとって良い会社
1位 | コンプライアンス意識が高い会社 | 25.7% |
2位 | 正当な評価をしてくれる会社 | 22.9% |
3位 | 給料が高い会社 | 17.1% |
4位 | 福利厚生がしっかりしている会社 | 11.4% |
5位 | 休日がきちっととれる会社 | 8.6% |
「事業主が考える従業員にとって良い会社」の1位はダントツで「給料が高い会社」で、これは完全に予想の範囲でした。また、「コンプライアンス意識が高い会社」については、事業主…が5位に対して従業員…が1位となっていますが、いわゆるブラック企業に対する認識は、事業主サイドはさほどではないけれども、従業員(特に若年層)は重要視しているということは感触として十分伝わっていましたので、意外ではありません。
着目すべきは、「従業員が考える従業員にとって良い会社」の2位の、「正当な評価をしてくれる会社」です。これは事業主が(言い方は悪いですが)、「とにかくそれなりの給料を払っていればいい」と考えているのと極めて対照的です。
従業員は給与の額そのものにも増して、「その給与額は一体どのように決まっているのか?」あるいは「自分のどの部分が評価さてれいるのか?」、つまり「自分の成長がどう評価さてているのか?」ということを強く意識しているということに他ならないと言えるのではないでしょうか?
従業員は、従業員自らの成長を実感できたときはじめて「良い会社」であると認識するのですね。
それ故に、小さな規模の会社でも(あるいは規模の小さな会社こそ)明確な従業員評価基準を設けることはとても大切です。