日経新聞の記事によると、「求人数の目安となる有効求人倍率は7年前の水準まで下がった…」とのこと。多くの事業主が、これほど人手不足・人材不足と嘆いているのに「一体どうして?」と誰もが不思議に思うわけですが、そのからくりは単純で、「ハローワークの利用率の著しい低下」でした。同記事によれば、「23年1〜6月にハローワーク経由で就労した人の割合は全体の15%ほどで、この10年で10ポイント以上、下がった。」とのこと。企業側は、よりよい人材を求めて民間の職業紹介事業にシフトし、アルバイト・パート求職者は単発労働(スポットワーク)に流れ(スポットワークの登録者数は3年間でなんと約3倍に急増!)、求人者・求職者双方のハローワーク離れが加速しているようです。
どれだけテクノロジーが発達しても、「ヒト」はいぜんとして企業にとっての最重要経営資源の一つであることに変わりはありません。その重要な経営資源を確保するための、有意義で信頼性のある「情報」が得られないことはやはり問題です。もちろん、その「情報」自体も最重要経営資源の一つなので、積極的に情報を得る努力は欠かせませんが、一部の情報強者による人材抱え込みが行き過ぎるのも問題でしょう。悪質な民間職業紹介事業者がいないとも限りません。情報が意図的にゆがめられることもあり得ます。民間からの情報も積極的に吸い上げて、求人・求職に関する数値の適正化を図ることも必要でしょう。
ところで、「だからみんでハローワークを大いに利用しましょう!」というわけではありませんが、ハローワークは一昔前に比べて格段に利用しやすくなっています。まだの事業主の方や、なんとなく敬遠している方は一度試してみられてはいかがでしょう?