「正社員って一体何?」という基本的な疑問を抱くことがないでしょうか?厚生労働省の、「多様な人材活用で輝く企業応援サイト」(https://tayou-jinkatsu.mhlw.go.jp/various-regular-employment/various-regular-employment/index.html)に、正社員の定義らしきものがあります。
①労働契約の期間の定めがない
②所定労働時間がフルタイムである
③直接雇用である
同サイトでは、上記要件を満たす従業員を、「一般的に、いわゆる正社員」と表現しており、いわば消極的定義と位置づけているように見えます。つまり、様々な雇用形態・就業形態のなかで、そのどれにも属さない形態が正社員である、という認識に改まりつつあるようです。
一昔ちょい前は、「社員」といえば「正社員」のことを指すのがごく当たり前で、これは、「正社員」でなければ「社員」ではない、という、(事業主側と当の正社員側の)意識のあらわれでもあったのでしょう。
逆にパートタイマーやアルバイトなどの、いわゆる非正規雇用の(非正社員である)従業員からの、「それは社員の仕事でしょ!?」とか「自分は社員じゃないから関係ないです!」などという発言も日常的にあったような気がします。
ところが、「同一労働同一賃金」、「働き方改革」といった一連の流れの中で、改めて正社員というものを定義せざるを得なかったという皮肉な結果になってしまったのでしょう。いずれは正社員という概念自体が消滅し、「正社員??それって社蓄のことでしょ?」なんて言われる時代がくるかもしれません。