所長のコラム

2024.06.03

社会保険の適用拡大

報道によると、厚生労働省の「賃金や労働時間などの要件見直しについて議論する懇談会」において、「(社会保険の適用においては)企業規模要件の撤廃を求める声が多く上がった」そうです。
順次すすめられてきた、社会保険(健康保険・厚生年金)の適用拡大の先には、当初より上記のような目標が据えられていたことは十分予想されます。

財務省が公表しているデータによると、租税負担率と社会保障負担率を合算した国民負担率45.1%に対して財政赤字を含む国民負担率は50.9%です。財政赤字は現時点でも5.8%(令和6年度見通し)あり、しかも、今後も医療費・社会保障費は伸び続けるので、財政赤字を解消するためには、更なる増税と社会保険料負担は否めない、ことを表現していると考えられます。

いずれにしろ、どれだけ雇用形態が多様化しても、医療や年金の財源を求めて制度は変更されていくので、社会保険の適用拡大の裾野をより広くという方向性は変わらないと考えて間違いないでしょう。年金の受給年齢引き上げも具体的に検討されており、増税も確定しています。働けど働けどなんとやら…ですね…。

社会保険労務士 
小林事務所

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