所長のコラム

2025.06.30

管理監督者とは?

今から17年ほど前、某大手飲食チェーンの店長が、「店長は管理職だからといって、残業代を支払わないのは違法だ!」として会社を訴え、結果裁判所は会社に対して未払い残業代の支払いを命じるという事件がありました。
いわゆる「名ばかり管理職裁判」として、当時大きく報道された記憶があります。この判決を受けて、名称は管理職でも残業代をつけたり、管理職者・監督職者を再定義したりと、大きな動きがありました。

翻って現在はどうでしょうか?働き方改革、人手不足、最低賃金の毎年の引き上げ等々による人件費の上昇は著しく、なんとか人件費を抑えたい、人件費のブレを少なくしたいということから、役職手当・管理監督者手当を持ってみなし労働時間制の導入を推進する動きも増えているように見受けられます。しかしながら、ここに危険が潜んでいます。

そもそも管理監督者とはなんでしょうか。厚生労働省が発行している、「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために」には次のように記載されています。
『「管理監督者」は労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者をいい、労働基準法で定められた労働時間、休憩、休日の制限を受けません。「管理監督者」に当てはまるかどうかは、役職名ではなく、その職務内容、責任と権限、勤務態様等の実態によって判断します。企業内で管理職とされていても、(…中略…)判断基準に基づき総合的に判断した結果、労働基準法上の「管理監督者」に該当しない場合には、労働基準法で定める労働時間等の規制を受け、時間外割増賃金や休日割増賃金の支払が必要となります。』

冒頭の飲食チェーンの裁判でも、この、①経営者と一体的な立場にあるのかどうか? ②役職名ではなく、その職務内容、責任と権限、勤務態様等の実態がどうであったのか? がポイントになりました。そしてもちろん職務内容・役職に見合った給与が支払われているのかどうかが極めて重要です。

社会保険労務士 
小林事務所

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