所長のコラム

2026.03.15

副業が法外残業扱いになってしまう理不尽

労働者が副業(ダブルワーク)をしている場合、労働基準法上の労働時間は本業の労働時間と副業の労働時間の合算になります。
そのため、本業の労働時間と副業の労働時間の合算が、法定労働時間である「1日8時間」または「週40時間」を超えると、超えた分は、労働基準法上の「法定労働時間外労働」の扱いになり、1.25倍以上の割増賃金の支払い義務が生じることになります。
そして、この割増賃金の支払い義務は、原則として、後から労働契約を締結した方の事業主、つまり副業先が負うことになります。
例えば、本業で8時間労働した日に副業で4時間働いた場合は、その副業の労働時間4時間はまるまる法定労働時間外労働の扱いになり、副業先に割増賃金の支払い義務が生じるのです。

副業時の残業・労働時間管理のポイント

①労働時間の通算ルール:労働基準法により、勤務先が複数あっても労働時間は合算される。例えば、A社で8時間働いたあとにB社で4時間働いた場合、合計12時間となり、B社での4時間分は法定労働時間外労働になる。

② 割増賃金の支払義務:合計の労働時間が法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた場合、原則として「後から雇用契約を結んだ会社」が、超えた分の割増賃金を支払う。

③36協定との関係:残業の上限を定める36協定の時間は、本業と副業で合算されない。それぞれの会社ごとに、定められた上限の範囲内かどうかで判断される。

④ 健康面への配慮:副業をしていると、長時間労働になりやすくなるため、従業員の健康に配慮するという観点から、会社が副業(または本業)の労働時間を把握する必要が生じることがある。

経団連からの指摘もあり、厚生労働省では、この本業・副業の労働時間の合算について見直しの動きがあるようです。雇用保険の被保険者要件とも関連する問題だと思われますので、なかなか簡単には結論がでないのでしょうが、今後は十分注視していく必要があります。

社会保険労務士 
小林事務所

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